木製湿度計?

ロマニリョスの本「アントニオ・デ・トーレス」に、トーレスは自作の湿度計を使っていた、という一文があり、内容をうろ覚えのまま、スプルースの木片で作ってみました。

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スプルースの薄板2枚を木目が交差するようにして貼り合わせたものです。幅:25ミリ、長さ130ミリ、厚さ:5ミリ。

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湿度が低いと(棒を縦方向に見て)横目の板が縮み、縦目の板は縮まないので、棒は横目の方向に曲がるはずです。ネックの反りと同じ原理ですね。

ところがなんと、ほとんど変化しません。乾かしても、水で濡らしても。ではその原因を探りましょう。理屈は合っているはず。1.長さが足りなかったか? 2.縦目が丈夫すぎたか? 3.材料が古過ぎたか? 

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1.長くすれば、両端の曲がり具合は増すでしょうが、手元にあまり幅の広いスプルース板は手許にありませんでした。手つかずの表面板用スプルースはあるのですが、わざわざ実験用に切る勇気はなく......。

2.縦目をもっと薄くするのは有効かもしれません。

3.木は新しいほど伸縮が激しいので、新しい木材で作るのが良いかもしれません。木の種類によっても違うでしょうね。スプルースよりも伸び縮みする木は何でしょう? これに使ったのは実は高校時代にギターキットに挑戦し、見事失敗して分解した破片です。40年以上昔のことで、製材してからは50年は経っているでしょう。私と同様、枯れきって落ち着いてしまったんでしょうか?

もう一度、トーレス本の該当部分(原本105頁)を読んでみると、これはトーレスの曾孫フアン・フランシスコが行なっている方法で、私が試したのとは違うようです。読解力が足りないのか、言葉だけでは実際の構造が見えてきません。どなたか、お分かりでしょうか?