カルカッシ教本原典版+CD完成!

ギターを練習する人にはお馴染みの「カルカッシ」。しかし、日本で出版されたカルカッシの教則本もしくはエチュードは、ほとんどがアメリカで出版されたワルター・ジェイコブス編の教則本(1884年刊)を元にしていて、しかもこのジェイコブス氏の仕事はかなりいい加減なものでした。カルカッシが意図した本来の形=原典を知る日本人はほとんどいなかったと言ってよいでしょう。

カルカッシがパリでフランス語の原典「完全ギター教則本」Op.59を出版したのは1835年。184年を経た今、現代ギター社から日本語版が出版されました(現代ギター2019年3月臨時増刊号)。監修は原 善伸、フランス語からの翻訳は上谷直子。

そして一緒に写真に写っているCDはカルカッシ「完全ギター教則本」Op.59に含まれるすべてのエチュードを原 善伸が演奏した2枚組新譜(ALM-ALCD7228-7229)。こちらは4月8日に発売予定です。

Carcassi OP.59.jpgそして、Op.59に続くOp.60「25のエチュード」も楽譜CDが既に現代ギター社から発売されています。こちらも1851年にパリで出版された原譜を元にしています。カルカッシはOp.59とOp.60をセットとして、初めて自らの教程が完成すると考えていたと思われます。ギター学習者もセットとして持たないことには始まりませんね。楽譜は佐藤弘和・校訂、CDは稲垣 稔が担当していますが、奇しくもお二人とも若くして世を去った天才でありました。

Carcassi Op60.JPG