タレガ臨時増刊号の録音

フランシスコ・タレガの没後100年に当たる今年、6月末に7月臨時増刊号「タレガ ギター名曲講座」が発売になります。例によって本文と別冊楽譜、CDがセットになった実用版で、タレガのオリジナルを中心とした代表的作品21曲をお届けします。

写真は付録CDのための新録音風景。金 庸太さんは大曲〈グラン・ホタ〉を担当。レオナルド・ブラーボさんは〈エンデチャとオレムス〉ほか小品4曲を担当。


いずれも仕上がれば合計10分ほどの演奏でしたが、やはりタレガは一筋縄ではいきません。納得のいくテイクを求めて録音を重ね、結局半日かかりました。ギターの録音は簡単そうで、実は大変です。弦は当然ながら新しく張ったものですから、演奏中に微妙に伸びてピッチが下がってきます。頻繁に調弦しないと、後で編集する際に困ります。コンサートでは気にならないノイズも、録音すると気になります。低音弦の摩擦ノイズとか鼻息、うなり声……。実はディレクターを担当した私も録音中に脚を組み替え、テーブルに触れて大きな音を出してやり直しとなってしまいました。ブラーボさん、ご免!

このCDはこのお二人の他、藤井敬吾、毛塚功一、ほかのギタリストによる演奏を収録しています。これだけの作品を集めたタレガ特集のCDは少ないでしょうし、いずれも名演です。お楽しみに!(SN)