3月号「愛器を語る」撮影風景

好評をいただいている連載「愛器を語る」、次の3月号では高田元太郎さんが今井ギターを語ってくださいます。その撮影風景をちょっと覗いてみましょう。



 GGサロンにポールを2本立て、黒紙のロールをスロープ状に降ろして背景にします。右側と頭上にライト、左側と足元に白い反射板を設置。カメラと連動してストロボが光を連射します。簡単に撮れそうに思われるかもしれませんが、楽器のテカリ(反射)を避け、なおかつ顔の表情をキメルのがなかなか大変なのです。やはりモデルさんとは違うので、「笑って」と言ってもなかなか自然に笑えるものではありません。何十カットも撮って慣れるというか疲れる頃に、いいカットが撮れたりします。高田さんはかなり場慣れが早く、いい表情が撮れました。昔のフィルムのカメラだと、最初はフィルムなしで空撮りして、被写体が慣れた頃にフィルムを入れる、なんていうカメラマンもいたとか。プロ用のフィルムは高かったですからね。そういえば今ではフィルム自体、あまり売っていないですね。

 被写体の皆さんから一様に聞かれるは楽器の透過写真の撮り方です。レントゲン写真かと言う人もありましたが、そんな金のかかることはいたしません。暗闇の中でギターの内部に小さな電球を入れて、長時間露出で撮ると、表面板が透けて写るのです。10数秒の間にこの電球をまんべんなく移動させる必要があります。この電球振りがGGだけの秘術なのです。ここで写真をご披露したいところですが、暗闇で何も撮れません。ストロボをたいたらカメラマンに怒られます。今井ギターの構造もバッチリ撮れました。なるほど、こうなってたのか!
SN