タレガの演奏が聴けます!!

 フランシスコ・タレガの演奏録音が存在する、とは以前から言われていましたが、それがついにCDとして発売されました。「タレガと高弟たち、その門下生?『セゴビアとその同時代人たち』第12集」というCDで、リョベート、フォルテア、カラターユ、プジョール、ロブレド、セゴビア、R.S.デ・ラ・マーサ、ローデスなどの19世紀末から20世紀にかけて活躍したギタリストのSP盤からの復刻が並び、最後にタレガの演奏する〈マリーア〉が1曲だけ、おまけのように付いています。しかし、これこそが本命、歴史的な録音なのです。
 解説によるとタレガは1899年、有名なパトロンのコンチャ夫人を伴ってグラナダのアランブラ宮殿を訪れ、その時の印象を元に作曲したのが彼の代表作〈アランブラの想い出〉。そしてタレガはバルセロナのカサレス社でこの〈マリーア〉を録音したのであろう、と書かれています。この音源はエジソンが発明した蝋管レコード。


「フランシスコ・タレガ氏のギターによる〈ガヴォット〉です」という男性のアナウンス(スペイン語)の後に、タレガの演奏が始まります。SPレコードよりもノイズが多く、音飛びもありますが、タレガの流麗な歌心は100年以上の年月を超えて心に沁み込んできます。4小節1拍目の最高音のメロディーは、出版譜にある「ラ」ではなく、「ド」で弾かれています(セゴビアもそのように演奏しています)。これだけでも貴重な情報ですね! 
 実は、このCDにはもう一つの貴重な歴史的録音が含まれています。やはり蝋管に録音された〈愛のロマンス〉の世界初の録音! ジャケット裏面の写真の左上の写真がその蝋管のラベルですが、「Sorf(またはSort): Estudio para Guitarra por S. Ramirez」と読めます。穿って読めば「F.ソル:ギター練習曲 S.ラミレス演奏」でしょうか? これも解説文を読むと面白い情報が満載ですが、ここでは書ききれません。
 とりあえず、興味のある方はGGサマーセールでお求めください......と言いたいところですが、すでに初回入荷分は飛ぶように売れてしまい、次回は遅くとも8月末には入荷するそうです。申し訳ありませんが、お待ちください!※7月末?8月初旬再入荷予定となりました!(2013.7.23)