写らん君登場!

 この数年間、現代ギター誌「愛器を語る」で姿も名前も出さずに裏方に徹しているスタッフを紹介します。

 その名は「写らん君」。歴代の名器を裏で支えています。ギターの撮影は難しいのです。照明の調節はカメラマンにお任せですが、余計な物が写らないようにギターを立たせるには、編集部員もあれこれと策を練ってきました。

 普通のギタースタンドでは必ずどこかが写ってしまいます。そこで以前の楽器撮影では釣り糸でギターをぶら下げて撮っていました。糸巻きに釣り糸を架けるのですが、ギターが振り子のように揺れ続けて、なかなかシャッターが押せません。手で触って止めようとすると、また別な方向に揺れ始める始末。しかも、釣り糸が絶対に切れないという保障はありません。もしもプロ・ギタリストの愛器が床に落ちたら......その恐怖に押されて、写真に写らないギタースタンドを考案しましたP1170325.JPG

 近くの材木屋で捨てられていた端材を持ち帰り、ボンドと蝶番で組み立て、黒色スプレーで着色、滑り止めマットを貼って完成。簡単ではありますが、ギターのボディーに隠れるサイズの設計に試行錯誤がありました。この「写らん君」の登場により、ギター撮影界に革命的進歩が成し遂げられました。特許申請の声もありましたが、需要は世界でも数件? いや、GGだけか?

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