フアンホ・ドミンゲスのギター

GGショップに入って右側、1台だけ、裸で陳列されているギターがあります。ヘッドはちょっとブーシェ風ですが、もちろんそんなわけはありません。


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このギター、現代ギター昨年の11月号(No.611)の66頁「奇跡のギタリスト」(手塚健旨・執筆)に掲載された四股名「土民芸主」ことフアンホ・ドミンゲスが使っていた、アルゼンチンのカルロス・サルモネ Carlos Sarmone 2002年作のギターなのです。なぜそんなギターがここにあるのか?

記事にも書かれているとおり、手塚さんはフアンホ・ドミンゲスの前回の来日の際、彼からこのギターを譲られたそうですが、このギターはあまりに弦の張りが強く、とても弾きこなせないので、現代ギター社に差し上げるから改造するなり分解するなり好きにしてくれ、とのことでプレゼントしてくれました。

さっそくチェックしてみると、サイズは普通ですが重量が2キロ。通常1.5キロくらいですから、非常に重いギターです。サウンドホールから手を入れてみると、力木が太く丈夫で込みいっています。板も全体に厚そうです。わざと鳴らないように意図して作られたとしか思えません

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アルゼンチンのガウチョ(牧童)が大草原で弾くには、このくらいの丈夫さが必要なのかもしれません。フアンホ・ファンの方、腕力に自信のある方、どうぞお気軽にお試しあれ。肉好きで愛煙家の巨漢が使っていたこのギター、そこはかとなくそれらしい香りもするような......。

 

ドミンゲス(1993年4月来日公演).jpg

足台も支持具も使わない、フアンホ独特の構え。ちなみにこのギターは別物です。