冬季のギター管理法

IMG_1223.JPG
















朝晩の冷え込みも増してきて肌寒い季節になってきました。
今回は寒い季節の楽器の管理法を書きたいと思います。

ギターの管理に注意をする季節として6月から9月の夏季と
12月から3月の冬季があります。
夏季は高温多湿が悪影響を及ぼし冬季は乾燥過多による
故障が多くなります。
冬は乾燥している空気を更に暖房して温度を上げるので
なおさら楽器が乾燥し故障を招きやすい状況になります。

冬季に起りやすい症状は3つあります。

1つ目はネックの反りです。
冬季のネック反りの多くは逆反りです。
棹の握りの部分が指板の黒檀より縮むために起ります。
完璧にシーズニングした材料を使用した楽器は
この様な症状は起りにくいです。

2つ目はバリと言われている症状です。
金属であるフレットは温湿度からの影響は受けないですが、
木材である棹の収縮によりフレットが若干飛び出してくる
事があります。こうなると左手の感触が悪くなり
酷い時は左手を傷つけてしまう事さえあります。

3つ目はボディのヒビ割れです。
表板、裏板、横板が乾燥し収縮すると、
木材の膨らみが無くなり平らになります。
さらに酷くなるとへこんだ様な状態になります。
そうなると木目に沿って細い割れが入ることがあります。
柾目の上質な木材ほどヒビが入りやすいのでご注意ください。
完璧にシーズニングされた材料を使用した場合、
ひび割れは起り辛いですが長期間乾燥にさらされると、
どんなに完璧にシーズニングされていても割れますので
湿度管理が必要になります。

以上の様な悲劇を起こさないためにも楽器を
異常に乾燥させないようにして下さい。
保管は夏季ほど弦を緩めずケースに入れ、
湿度を50%程度に保ってあげてください。
この範囲から±20%以上変化するようだと危険です。
ですから湿度が30%を切るようなところでの
保管は絶対に避けてください。

またギターを冷えたところから暖かいところに持ち込むと
表面が結露を起こすことがあります。
この様な時は乾いたクロスで十分にふき取って下さい。

冬季はギターを良い状態で保つのは難しい季節と言えます。
湿度計や楽器用の調湿剤等を利用し
楽器を良い状態に保って上げてください。